縋る女

「お前は、お前の信じる道を行けばいい」


なぜそのようなことを仰るのですか。私は私の信じる道というのがわからないのです。生まれた理由は逃避でした。生きる理由はあなたでした。そんなわたしが、からっぽの私が、私の何を信じればよいのでしょう。私のなかにはなにもないのです。打てば響くようながらんどうなのです。あなたは私を信じてくださいました。あなたはあなたを信じておりました。わたしもあなたを信じていました。でも私が私を信じられないのです。私が一番、私を信じていないのです。あなたに信用されながら、その信用を裏切り続けていたわたしをあなたは怒るでしょうか。それとも憐れと笑うでしょうか。ああどうぞ笑ってくださいまし。愚かにも、欲深くからっぽの私はあなたを信じることでわたしを満たそうとしていました。そのような錯覚にすがっておりました。そんな滑稽な女なのです。これがあなたが好きだと言ってくださった女の本性なのです。どうぞ、どうか笑ってくださいまし。そしてわたしを打ちのめして、二度とこんな希望を抱かないようにしてください。人間になり損なったわたしが、もう二度と人に憧れることのないように。


空の女  



睡眠不足のテンションで一気打ち
女のはなし
家に帰ったら別に直すかも
とりあえずこれはこれで